ポンヌフ

undoのポンヌフのネタバレレビュー・内容・結末

undo(1994年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

【undo 】ほどく。元に戻す。
縛るのか解くのかよくわからないこの作品は、僕にとっては衝撃作だった。
同棲したことで少しずつ解けてしまった2人の関係を戻すために、モエミはあらゆる物を縛り始める。強迫性緊縛症候群と診断されたモエミに対し、困惑を隠しながら優しく接するユキオ。涙を流しながら縛られるモエミ。蜘蛛の巣に捕らえられたマリアのようである。
以前Twitterで、あらゆるものを毛糸で縛ってしまう障がいを持つ方が天才芸術家として紹介されているようなツイートを見たことがあるが、モエミも同じようなことだろう。本物の芸術家というのは、ただ自分が気持ちいいというところに色を塗り、形作り、縛るのだろうと本作を見て感じた。
ユキオの歯列矯正のメタリックに対するフェティシズムと、モエミの縛ることに対するフェティシズムは、同じことだ。誰しもが一つくらいは持っているフェティシズムは捉え方によっては、芸術であり、病気なのである。
縛られた末のモエミは何処へ行ったのだろうか。禁断の果実を口にしてしまったモエミは、緊縛の楽園へと戻ることは永遠にないだろう。
なんとなく言語化しきれてない感じが気持ち悪い…
ポンヌフ

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