かつを(@katsuwow)

DOCUMENTARY of AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?のかつを(@katsuwow)のレビュー・感想・評価

3.5
Blu-rayにて

前田敦子ファンであるので公開時は映画館の大音量でコンサート映像を楽しむために何回も通った本作品。彼女が卒業してから1年半程経ったところで、ようやくBlu-rayを買ったので見直してみることにした。

この映画は2/3が前田敦子の卒業までの映像なので、SSA、東京ドーム、卒業公演を経てのピリオド的な位置付けだなと思っていた。

だけど、良く考えてみたら、この映画を観た時点で、私は全てこの中で起こった事件は知っていた。(AKBGファンなら)みんな知っている事実を構成してドキュメンタリーにした意図があるならなんだろうと思った。

最初から最後まで出てくるキーワードは「センター」
前田敦子がいた1830mまでと1831mからとどちらも描こうとしているが、いずれもセンターが鍵になる。

ポジションを与えられ、前をずっと向いていた女の子を、いつからか皆が「彼女はセンター」であると語り出し、彼女が去った後は「センターというもの」を語る人間で構成されてるのが興味深かった。前田がインタビューされておらず、卒業したポスト前田と呼ばれた城ちゃんのインタビューが入っているところもポイント。

宝塚にせよ、集団にはヒエラルキーが必要で、トップも、それを支える人間も必要。AKBの場合、トップの重圧の程度が未知だったからこそ、うねりながら耐えて来られて、周りもそれを支える構図が出来たのかも。

しかし、今は、第一章で「知ってしまった」から、その呪縛から解放されず、いつまでもトップが見えてこないような状態にみえる。いや、その知ってしまった事を飲み込んで行くまでの気概は画面からは伝わり辛い。タイトルどおり、アイドルでいる彼女達はこれから一体、どんな涙の後に、どんなものを見るのだろうか?と問うているようだった。

それにしても、男性関係で問題になった(これからなるという予知夢も含めて(苦笑))メンバーの場面を入れてるのは、アイドルでいる犠牲によって流される涙の部分の説明なんだろうか?まぁこの部分、一番効いたコメントしてるのは間違いなく、解雇の後オーディションを受け直した菊地あやかだろうね。


ドームでのあっちゃんをじっと見つめているメンバーの表情で、いろんな意味で卒業を感じることができた。前田敦子ファンに取ってはドームコンサート、卒業公演と併せて購入して間違いない一品。Blu-rayでも音質はかなり良いので爆音で観たいところだ。