週末に公開される『デトロイト』の予習で再鑑賞。『ハート・ロッカー』で史上初の女性によるアカデミー監督賞を受賞した、キャスリン・ビグローがメガホンを撮った本作はアカデミー賞を含む数々の賞を受賞。ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害にいたる経緯を描き、実話を元に作られ、CIAが不屈の精神で執拗にオサマ・ビン・ラディンを追いつめていく展開が徹底したリアリティで語られていく。史実を証言に基づいて完成させた点では非常に完成度の高い作品であるのだが、
「アメリカの威信をかけて」
が強すぎる印象。人間ドラマの描きは弱く、主人公のジェシカ・チャステインは、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネート、第70回ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しているのだが、本当の主人公は
「アメリカという国家」
なのだろう。
その部分の強調されすぎが、アカデミー賞作品賞を逃したのかもしれない・・・
しかし後半のオサマ・ビン・ラディンの家を特定して深夜突入していく後半の観客をくぎ付けにしてしまう演出はさすがでした!