自分の居場所を見失っている女性が、就寝中の身体を客人に預けるという、特殊な性産業の世界に入り込む。川端康成・著「眠れる美女」をベースにしている、エロティック・ドラマ。筆者は原作を読了済み。
川端の原作小説は、人生の終着を憂えている老人が、ローティーンの少女による「性交渉NGの添い寝業」を利用することにより、生きる活力を分けてもらうという物語。自慰的かつ背徳的な雰囲気が魅力となっている。
そんな原作に対して、本作では「添い寝業の内部事情」をクロースアップ。従事している女性への視点切り替えを採用しており、元アイドル女優のエミリー・ブラウニングが主人公を熱演。美しいホワイトスキンとヘアヌードを披露してくれる。
しかしながら、主人公の葛藤劇が貧弱なため、「視点切り替えの妙」に関しては、随分と呆気ない感じがする。また、本作で扱われる添い寝業のサービス内容が、日本のヘルス店の夜這いプレイと大同小異なので、日本人の感性では低刺激に感じられる。
