日向日向

モスキートマンの日向日向のレビュー・感想・評価

モスキートマン(2012年製作の映画)
3.0
未体験ゾーンの映画たち2013

今作は、知らぬ間に公開し、知らぬ間に終わっていた意外と正当なダークヒーローもの。
冴えなくて仕事をクビになり、彼女にも浮気されるようなステレオタイプのダメ男なビルが今作の主役。
泣き面に蜂なのか、騙された挙句デッドプールと並ぶくらいの醜悪な肉体に変えられてしまう。
蚊となってしまったため、本能に抗いながらも自分を改造した悪を討ち、正義を執行する。
といった至極普通の展開。

B級で、予算はないですが意外と見れたものでした。
別に特段優れているわけではないのですが、監督ら製作陣がかなり愛を込め、そしていいものを作ろうという気概が強く感じられました。そういう作品は多少残念な出来でも楽しんで見れるものですよ。

蚊である特性を最大限に活用した戦い方がグッド! 本能に抗いながらも、殺す相手は自分を馬鹿にした人だけという徹底具合も好感がもてます。
また、とある刑事が出てきて、彼を追おうとしてきます。最初は嫌な役ですが真実を知ってからはかなり協力的になり、バットマンでいうゴードン警部みたいな役回りになるので最初のヘイトが一転、好きなキャラに様変わりしました。あとヒロイン。どれだけ主人公とわかっていても醜悪な姿の彼を迷わずにヤるのは最早尊敬ものです。

シンプルすぎて然程目立ちませんが作品としては一定水準を保っていた今作。
序盤は拙いながらも合成し、アクロバティックに町中を飛び回るシーンがあったのに中盤からは当たり前のように車を乗り回すといった低予算故のシュールギャグなども時折見られるので、時間があるのならみてみるのもいいかもしれませんね。
日向日向

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