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風立ちぬのjのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
4.9
宮崎駿作品の中でも作家性が特に色濃く表れている一方で、大衆には迎合しない作品であり、ジブリ作品の中でも非常に難解な作りとなっている。

初めて劇場で観た時は意図を理解し切れなかったが、それと同時になぜかすごく感動したのを覚えている。

改めて観るとこの映画のテーマはやっぱり“エゴ”なんだろうなと思う。
兵器は好きだけど戦争は嫌い、という宮崎駿の抱える矛盾。国が戦争に金を払うことで、二郎や本庄が飛行機を作れる矛盾。結核の菜穂子の横で二郎がタバコをふかす矛盾。
この作品の中では空に浮かぶ飛行機はとても綺麗に飛ぶし、二郎と菜穂子の愛はとても刹那的で情熱的だけど、それらを美しく描けば描くほど、相対的に“毒”みたいなものも強調されているように感じた。
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