ゴロゴロ太郎

世界にひとつのプレイブックのゴロゴロ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画公開時に観に行き、パンフレットを買ってしまったくらい好きな作品だったのたが、内容を忘れてしまい、自分の記憶力の無さに呆れてしまった。
なので、Abemaで再鑑賞!

初めて観た時から、かなり年月が経っているが、やっぱり好きな作品だった。

私の好きなセリフを2つ紹介する。

『親父の説教は嫌だろうが
彼女のサインに気づけよ
運命が手を差し出している
その手をつかまないと一生悔やむことになるぞ
今こそ壁を乗り越える時だ
あの子の愛は本物だよ
今のニッキに愛はない
チャンスを逃すな』

『人生はいろんな方法で人を傷つける
うまく言えないが
誰だってクレイジーな部分はあるだろ?
また日曜が好きになった
みんなに助けてもらって、僕は本当に幸運な男だ』

どんな自分でも愛して、心配してくれる家族。そして、安らぎを与えてくれる彼女。
最後に主人公のパットがティファニーに告白しキスをするシーンは胸がキュンキュンするし、家で2人が仲睦まじくしている姿をお母さんが嬉しそうに眺めているシーンは母の安堵感と愛を感じて好きだ。


人はそれぞれ異なる事情を抱えている。
主人公と彼女も、心に傷を抱えている。
破天荒でクレイジーだが繊細な2人。
クタクタになるまでダンスに打ち込む。
自分のトラウマを忘れるほどに。
その時間が体とココロを整えていく。

この時間が
なぜ落ち着くのか…安らぐのか…。
自分の心と向き合う。その余裕が出来た時に、彼女が愛してくれている事、彼女に救われている事に気付く。
トラウマを乗り越えて愛と心の平穏を手に入れる。よく気付けた、偉いぞパット!
そして、全ての親が精神疾患のある子供を受け入れる訳ではない、愛情深い母親が側で見守ってくれる環境がどんなに幸運な事なのか、幸せ者パット!


愛した人に傷付けられ、傷付けられたからこそ執着してしまう気持ちはよく分かる。私にもそういう経験がある。愛して結婚したのだから、その愛が消えるなんて思いたくないのだ。でも、元には戻れない。トラウマを受け入れる為に、背中を押してくれる何かが必要なのだ。
苦しみに囚われ、他人の想いに目を向けられなかった彼パットが変わるためには、
家族や彼女の愛が必要だった。
体の関係ばかりに囚われ愛に飢えていた
彼女ティファニーは、体ではなく心を通わせる事が出来る人に出会い、愛して愛される事が必要だった。
映画の主人公達の背中を押したのは、愛だったのだ。私の背中を押したものはなんだったのだろうか?

心を傷付けるのは人であり、その心を救ってくれるのも人である。

ある家族が幸せで穏やかな時間を取り戻す軌跡を見れて、私も幸せになれたような、スッキリとした気分になる作品だ。
どんな事があっても自分を愛して心配してくれる人。その愛を大事にできる心の健やかさ。心の健やかさって、大事だ。
大切な人に感謝し、体も心も健康でいられれば、私たちの未来は明るい。



蛇足ですが、、、
この映画の邦題
『世界にひとつのプレイブック』の原題が気になり調べた。
「Silver Linings Playbook」という。「Silver Linings」は英語のことわざの「Every cloud has a silver lining=どんな雲にも銀の裏地が付いている」から取られ、“どんなにつらい状況でも希望はある”という意味があるらしい。それから「Playbook」とはアメリカンフットボールチームの作戦図のこと。
この二つを合わせると
「辛い状況を希望に変えるための作戦図」となる。
『世界にひとつのプレイブック』という邦題。合っているのか合ってないのか…。
英語を日本語にするって難しい!