OASIS

キャビンのOASISのレビュー・感想・評価

キャビン(2011年製作の映画)
4.3
2回目鑑賞。
「アベンジャーズ」の監督ジョス・ウェドンと「LOST」の脚本家ドリュー・ゴダードによるホラー映画。

注意①事前に情報を調べない事。
注意②予告編を観ない事。
注意③DVDメニューすら観ない事。
この点を守れば、今までの自分が思っていた「ホラー映画の常識」が破られる事間違いないし。
ネタバレしてしまうと面白さが激減してしまう場合もあるが、この作品のキモはそういう所では無いと個人的には思う。
だいたい始まってからすぐに重大な秘密をバラしてしまっているわけだから。

「ホラー映画を観る観客をさらに高い位置から観る」というメタフィクションの上を行った多重構造になっているのが最大の魅力。
従来あった「スクリーム」のように、ホラー映画好きがその定石を外して先を読ませない面白さを提案しているのならば、これはさらにそれを観客同士が見えないパワーによって自由に変えてしまうという神の目線に近いものになっている。
「俺ならこうするな~」とか「こいつが先に死んだ方が面白いな」とか、ホラー映画を観ながら考えているような事が、この作品の中に吸収されて常に成長しているというか。
そう考えると奥深い。

↓以下ネタバレ

エレベーターのカオス具合はやっぱり楽しいし、画面内だけに収まりきらずに監視カメラの映像なんかにもネタが一杯しこまれていて、情報量が凄まじい事になっていて面白い。
「イット」のピエロや「ヘルレイザー」というわかり易いのはともかく、元ネタ解説を見なければ到底わからないようなクリーチャーなんかもわんさか登場していて、目で追うのに必死。
マイナーなゲームのチョイザコキャラとか分かるかよ、というレベルまで。
そこの楽しさで忘れがちだけど、序盤からしっかり伏線張ってたりで決して手抜きを感じさせない所にただのB級映画とは一線を画すものがある。
さすがは一級で活躍する監督&脚本家。
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