インダスの大地

愛、アムールのインダスの大地のレビュー・感想・評価

愛、アムール(2012年製作の映画)
4.2
(記録用)老老介護。一つの愛の終着点。
妻の世話(介護)をする夫ジョルジュ。
(夫の手を煩わせたくないからもう全て終わらせたい)と願うアンヌのシーンは痛々しい。その頃はまだ病状がマシだったのだから。段々と具合も悪化していくアンヌの、自身への失望や屈辱感。それでも自宅で世話を続けるジョルジュ。

この映画、ほぼ二人の自宅内しか映さないので『閉じた世界』感が凄い。クローズドな二人の世界が濃密で、ちょっと長めのカットがリアルな生活の一部を覗いてしまったような雰囲気にさせてくる。

ピアノを弾くアンヌのシーンはズルいと思う。

ジョルジュの、献身とも独り善がりとも取れる『愛』の終着点が冒頭のあのシーンに繋がる。痛ましく切ない。それでもどこか美しいと感じてしまうのは、結果歪んていてもそこには彼なりの愛があったからなのかもしれない。