OASIS

メッセンジャーのOASISのレビュー・感想・評価

メッセンジャー(2009年製作の映画)
3.7
イラク戦争で戦死した兵士の家族のもとへ、その訃報を届ける「戦死通達官=メッセンジャー」の姿を描く。
2009年、ベルリン国際映画賞で脚本賞を受賞したが、「ハート・ロッカー」の影に隠れて公開を見送られた戦争映画。

戦争映画だけどもも、戦場で戦う兵士ではなくそれを送り出し帰りを待つ家族の姿を描いている。
突然の死を突きつけられ、なすすべなくその場に崩れ落ち感情をぶつけてくる家族に対して、かける言葉が見当たらず立ち尽くすしかないといういたたまれなさが伝わってくる映画だった。
ベン・フォスターは、戦場で心に傷を負いながらも感情を押し殺して任務に望む青年を、ウディ・ハレルソンは頼りがいがあり情にもろい上司をそれぞれ熱演していた。
2回しか出番の無かったスティーブ・ブシェミですら、わずかな時間で両極端の演技を見せ存在感を残している。

夫が戦死した未亡人に手を出そうとするというメッセンジャーにあるまじき行為も、すぐに深い関係になる事はなく絶妙な距離感が保てているし。
普通だったらかまわずヤってしまう所だけど、そうしない所に希望を感じる爽やかなラストであった。
只管に不幸な画ばかり見せてもしょうがいないというのもあるが、それにしてもちょっとその比重が多すぎたかなとも思う。
でも、見応えのある良い映画だった。
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