『襲わないゾンビがいたって、いいじゃない』
魔女狩りならぬ、ゾンビ狩りが行われている時の群集心理の恐ろしさ!
固定観念からくる偏見、決めつけ。
たとえ無害であっても、理解できないものを恐れ、遠ざけようとする心理は正に呪いだなあと感じます。
防衛本能ではあるけれど野生動物でもなしに、理性を持って言葉を操り、相手に歩み寄ることが出来る人間なのに。
そこでノーマンの渾身の叫び、「何で話を聞かないの!?」
外見や行動で決めつけ、理解しようともしない「いじめっ子」という言葉がズシンと響きます。
しかし、いじめられっ子もまた、擁護されるだけではないという所が今作の良い所であると思います。
精神的苦痛から視野が狭まり、世の中の人間全員を悪人だと思い込んで仕返しをするのでは「いじめっ子」と変わらない。
全員悪人という思い込みを捨てて、辛くても相手を理解しようとする気持ちを持たねばならない。
この世に変人はいない、相手を理解しさえすれば。
そんな素敵なメッセージを送ってくれるストップモーションアニメでした。