クロミ

偽りなき者のクロミのレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
3.3
昔から冤罪モノだけはどうしても怖くて苦手だったが、今回意を決して鑑賞。

こういう作品の何が怖いって”誰しも手が届いてしまう狂気”。
誰かが「幸せと不幸せの差なんてほんの少しだけ」と言ったものですが、この映画の真実と虚偽も、差はほんの少ししか無い。元は悪意の無い少しの差なんです。
だけどそのほんの少しの差で、ある人はあんなにも狂気に満ち、ある人はあんなにも虐げられる。ほんとに些細な事でも、人間は呆気なく狂気を正当化してしまう。と、改めて痛感した作品。

内容こそむごい話ですが、デンマーク映画の特性が光っていて、見ている人の気持ちを上手く流してあげてる。
気持ちを底まで落とさせないように繊細な演出がされていて素晴らしい。最初こそビクビクして見てたけどかなり集中して見れました。

見るタイミングが難しい…というか、軽々しくおすすめ映画だとは言えない作品ですが「見るべき映画」だと思います。
クロミ

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