洋梨

ハナ 奇跡の46日間の洋梨のレビュー・感想・評価

ハナ 奇跡の46日間(2012年製作の映画)
3.7
ベタである。ひねりも何もない一本調子のスポ根ドラマである。ただ選手達の置かれた状況がこの上なく数奇であるから、あえて小細工する必要はなかったのかもしれない。1991年千葉幕張の世界卓球女子団体戦でコリア統一チームが優勝したのは事実であるし。
ぺ・ドゥナは感情表現が抑圧された北の体制と体調不良を目線と汗で演じている。韓国選手と打ち解けた後も最後まで「ファイティン!」と言わず韓国式に迎合しないところがイイ。しっかりと握り拳は作っているが。
脇役が素晴らしい。韓国コーチ(パク・チョルミン)、韓国女子副将(チェ・ユニョン)もイイが、とりわけ素晴らしいのが北朝鮮女子副将役のハン・イェリ。序盤は貧相で不細工な印象だが、終盤抑圧された感情が露わになるにつれ可愛く見えてくる。
ただ、審判買収疑惑のシーンは蛇足だったのでは。どのスポーツでも韓国の審判への抗議は目に余る。これを正当化するような展開はいただけない。事実だったら仕方がないが。
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