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桜、ふたたびの加奈子のtuttleのレビュー・感想・評価

桜、ふたたびの加奈子(2013年製作の映画)
5.0
幼い娘を亡くした夫婦。
まだそこに居るかもしれない娘の魂。
シングルマザーになることを決意した女子高生。
仏教、輪廻転生をモチーフに描かれるホラーファンタジー。
「全ての女性に送る感動の物語」間違ってはいないけど、限りなく詐欺に近いキャッチコピー。

娘を亡くしすべてが狂ってしまった夫婦はもとより、丸を映し、輪を作り、円を描く、これら偏執的なまでの演出が不気味で、なんだか胡散臭そうなあらすじからは到底想像できない内容の作品。
庇護対象だった者が死んでなお確かな気配を放ち続ける喜び、愛しさ、悲しみ、恐怖、気持ち悪さが混ざり合い画面にいっぱいに広がる。
件の作曲家によるどこか不穏な旋律がまた恐怖を煽る。

90年代Jホラーを彷彿する狂気的神秘的な雰囲気に包まれてる作品で、その独特な気持ち悪さがツボでした。
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