イワシ

桜並木の満開の下にのイワシのレビュー・感想・評価

桜並木の満開の下に(2012年製作の映画)
4.0
桜、町工場、海、バイク。これらの要素を用いつつ震災後の日本の状況を反映させた『乱れ雲』のリメイクという試みを見事に成立させている。臼田あさ美が何とも素晴らしい。バイクの後部に三浦貴大を乗せて走り出した瞬間の高揚、旅館で一夜を共にした男の足に置かれた手の官能。

海のショットが何度が挿入されるが、その中でも臼田あさ美が波がおおきくうねる海の前に佇む姿を捉えたショットはグリフィス『不変の海』を彷彿とさせて素晴らしい。海に関しては『寝ても覚めても』より圧倒的にこっち。

『桜並木の満開の下に』では取引先会社の従業員が全員マスクを着用してるし、『乱れ雲』では加山雄三の転勤先のラホールではコレラが流行しているって言われてるらしくめちゃくちゃタイムリーな二本立てになってしまった。
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