NEW

ジャッキー・コーガンのNEWのレビュー・感想・評価

ジャッキー・コーガン(2012年製作の映画)
4.5
いいですねー、好きですこういう変化球。
大コケ(興行的に)といわれているみたいだけど、そもそも収入目的というより、作りたいものを作りましたって感じ。

暴力的な描写の鮮烈さはさることながら、物語の本筋に全く関係のないつまらない会話がそのまま収録されていたり、ラジオから流れてくる大層な政治のお話が単なるノイズでしかなかったり、ドラスティックな展開もなくさらっと終わってしまったり、と随所に描かれるリアリティーが心地いい。

時にリアルな光景は平凡すぎて退屈だったりするけど、その退屈さがこの映画の良さだったりする。かといって全体的に退屈なんてことは決して無くて、印象的なセリフや美しいシーンもしっかりある。いわゆる「映画っぽさ」を否定しながらも愛しているような感じとか、アンチハリウッドな作風なんだけど主人公はブラピだったり、と絶妙なバランスが小気味よい。

予定の無い休日の昼下がりに午後のロードショーでもう一度お目にかかりたい、そんな映画。
NEW

NEW