オーウェン

ヒッチコックのオーウェンのレビュー・感想・評価

ヒッチコック(2012年製作の映画)
3.4
サスペンスの神様であるヒッチコック。
その作品群は後世にも多大な影響を与え、今見ても理屈抜きに面白い作品が数多くある。
一番を決めるのは難しいが、そんなヒッチコック作品の中でもベストな出来にある「サイコ」の制作過程を綴った映画。

ヒッチコックは次回作の選定に悩んでいた。前作の「北北西に進路を取れ」が評判だっただけに尚更。
そこでヒッチコックは殺人鬼であるエド・ゲインをモデルにした小説「サイコ」の映画化を企画するが、妻であるアルマとは意見が食い違う。

制作段階から「サイコ」のメイキング的な作品と思っていたが、それ以上にヒッチコック夫婦の物語であり、その関係が「サイコ」のシーンに反映されているという繋がり。
有名なシャワーシーンの演出に私情を絡めたのは楽しめる場面。

そしてホプキンスとヘレン・ミレンの夫婦喧嘩は迫力がある。
妻のアルマがヒッチコックを責めるシーンなど、ヘレン・ミレンのパフォーマンスはすごいものだ。

「サイコ」以降それを超える作品がないと言われるが、それに迫れたのが「鳥」であるのは誰もが認めるところ。
やっぱりヒッチコックはオスカーを獲らせておくべき人だった。
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