そまたま

そして父になるのそまたまのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.9
親と子にとって血の繋がりとは何なのか?
是枝監督のこの後の作品にも生きているテーマ。
この後の作品では血の繋がりを超えた家族の在り方を模索する訳で、是枝監督のフィルモグラフィーを俯瞰すると本作品の見方が少し変わる。

そして父になるでは、あくまで既存の家族という枠組を脱せずに、物語は進んでいくが、その中でも2つの家族がほんの少しだけ交錯し、ラストにおいては、さらなる融解の可能性を秘めながら終わっていくのが面白い。

既存の枠組みを脱するという視点で言えば、まさに万引き家族がそれであり、この作品の別の家族の父親としてのリリーフランキーが、万引き家族でも登場するのが面白い。

是枝監督作品は点ではなく線で捉えると、より多角的に作品に鑑賞できる。
映画の楽しみ方として、監督を起点に鑑賞する醍醐味を感じた。
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