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そして父になるのshinobuのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
3.8
2度目の鑑賞。

相変わらずプロフェッショナルな作家だなぁと。
特にこれは誰もが認めるとこな気がしますが子供の演出ね。

元々テレビで社会派のドキュメンタリーを制作してたせいか、もう演技なのか何なのか分からないくらい。実在感がハンパないからどうしたって感情移入し、あの子達の幸せを祈ってしまう。うまいねぇ。

俳優としても、ラジオパーソナリティーとしても、ミュージシャンとしても結果を残し、爽やかで、いい男で…スーパースター福山雅治。でも私生活が全く見えないし
何を考えてるかイマイチ分からなくどこか掴めない。
そのパブリックイメージを最大限に利用する完璧な配役。

福山雅治を共有するにあたって、外す訳にはいかないという思惑もあったのだろう、分かりやすく図式化した作りになっている。

単純に言うと
イケメンで鼻持ちならない嫌な奴だけど仕事の出来る男 vs あまり裕福でないし、イケメンちゃうけど、人懐っこくどこか憎めないおっさん。
さぁどっちが良いパパでしょうか!みたいなさ。

まぁ、仕事に熱心で家庭を顧みない父親を全然悪いとは思わないけど、父ちゃん怖かったからたまに家にいると緊張したし。
でもリリーや真木よう子がたまにいうセリフにドキッとしたな。

子供の取り違えという非常に厳しいデリケートな問題を扱っているが、そこは焦点ではなくこの映画のタイトルである「そして、父になる」という事に焦点を当てている。

ここが気になる方も多くいるだろう。もっと劇的なのを期待していた。内容から泣けるのを期待していた。

これは個人的な感想だがポスターやトレイラーを観た時に感じる印象は、いつも良い意味で裏切って欲しいし、想像の上を行って欲しいので僕的には満足。

泣ける事は素晴らしい事です。体内に溜まってる物を排出する行為は快感だ。

でも、泣けるよ?ってきいて泣けたより、泣けると想定してないのに泣けた方が上じゃね?とか思うのだが。

話が逸れた。

目線、小道具(ラジコンや釣竿も良かったけど写真は参った。)会話、ロケ地(車内から見える景色電柱とかも良いけど、最後に出会うとことかヤバイね。)などなど…

隅々まで演出が行き届いた是枝監督によるプロフェッショナルな仕事を堪能した。
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