ある日突然超能力を手に入れた三人の青年のうち、一人が日頃の鬱憤を晴らそうと、暴走し始める。
主人公が持っているハンドカメラを通して物語が進んでいく感じが、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド』みたいな感じでリアリティに溢れてて面白い。
最初はSci-fiのように感じるかもしれないが、超能力を得るという展開は多分そんなに重要ではなく、それよりも人間は感情をコントロールできなくなると、とんでもないことをしでかす可能性がある、ということを伝えようとした映画に感じた。あと、超能力とはいってもヒーローを描いたストーリーでは全くなく、「もしごく普通の若者らが、ある日突然特殊な力を手に入れたらどうなる?」という実験的な側面を持っているところが興味深い。
そしてなんといっても暴走する青年の、徐々にエスカレートしていく行動と、精神的にやばい感じになっていく演技が、素晴らしい。
定期的に見たくなる映画。
町山氏情報によると、監督は大友克洋のアキラとドームの影響を受けてこの映画を作ったらしい。なのでストーリーが似ている。また、コロンバイン高校の事件などを想起させるような展開。