キミシマユウキ

地球、最後の男のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

地球、最後の男(2011年製作の映画)
3.6
国際宇宙ステーションで一人任務に就く宇宙飛行士リーミラー。彼は突然地球との交信が経たれ、一人宇宙空間をさまよい続けるのだが…

2015年日本公開SF映画『シグナル』の
!!ウィリアムユーバンク!!
監督の長編デビュー作。
SF大好きわりに最近見れてなかったので鑑賞。

~圧倒的孤独と映像美を魅せる天才~

この監督は万人に受け入れられるタイプではないことがよくわかった(笑)
それは『シグナル』と今作の平均点を見れば一目瞭然。
非常に残念ではあるが、後世で評価が高くなることを期待するとしよう。

「宇宙空間に一人取り残された男の孤独との闘い」

という題材はも同世代の若き天才監督ダンカンジョーンズによる
『月に囚われた男』(2009)
と似てる部分が多い(監督自身も影響を受けたと言う)が、違うのは今作の方が更に難解で、神秘的で、謎めいている。
そして映像が信じられないほど美しい。
深夜の映画館でこの映画を観ていたらその映像美に感動してエンドロール後もしばらくは浸っていたかもしれない。
また、『月に囚われた男』の方では演技派俳優サムロックウェルの演技力とネームバリューに頼ることが出来たがこちらは名も知らない俳優ガンナーライト。しかし無名ながらもかなり体当たりで頑張っていたと思う。
そんな今作はスタンリーキューブリックの今なお色褪せない名作SF
『2001年 宇宙の旅』(1968)
を意識しているであろう部分もとても多い。
ただし同じように”宇宙の旅”を意識してるクリストファーノーラン監督の大作
『インターステラー』(2014)
とは違い、親切心のカケラもない解釈を完全に丸投げするような難解設定にはなっているので気を付けて頂きたい。
もちろんヒントはたくさん投げかけてくれるのだが、この丸投げ感が好きじゃないという方が多い結果が今作の平均点を下げているのだろう。

孤独によって曖昧になる現実と幻想の狭間

人類の記憶



ここらのキーワードを頭の片隅に入れておけば少し役に立つかもしれない。

詳しいネタバレ、、、というより個人的な考察(もはや想像)はネタバレ表示にて記載。
もちろん鑑賞済みの方推奨だ。

それにしてもこの邦題は今作の雰囲気やテーマをぶっ壊すレベルの改悪だと思う。
原題はとてもシンプルに

[Love]

さて、その真意は…

見てのお楽しみ。。。

難解SF好き、宇宙空間好き、そして誰ともかかわらず孤独でいたいという方には(ある意味)オススメの作品。