福福吉吉

本陣殺人事件の福福吉吉のレビュー・感想・評価

本陣殺人事件(1975年製作の映画)
3.5
名家の一柳家の当主の賢蔵(田村高廣)が久保克子を嫁に迎えた夜、賢蔵たち2人は離れの別宅で夜を過ごしたところ、突然、大きな琴の音色と悲鳴が別宅から聞こえてくる。別宅は戸締りされており、外から侵入できない状態だったにもかかわらず、2人は遺体となって発見される。克子の叔父・久保銀造は旧知の金田一耕助(中尾彬)を呼び出し、捜査の協力を依頼する。

原作小説は読んでいません。

事件当初から疑われる「三本指の男」に焦点をあてながら、一柳家の人々の古い気質と一柳鈴子の特殊性が事件の真相を読ませないストーリーになっており、後半明かされる真相の衝撃の大きさは凄まじかったです。

主人公の金田一耕助はその当時(1975年)の若者をイメージさせる像になっており、ジーパン姿の金田一が鋭い眼光とともに捜査する姿が印象的でした。他の作品の金田一と違い、単独行動が少なく金田一と磯川警部が協力して捜査するのも良かったと思います。
最初は中尾彬さんと金田一耕助のイメージが合うか疑問だったのですが、温厚さと鋭さを兼ね備えた金田一耕助がカッコ良かったです。

本作は原作の昭和初期の話ではなく、映画製作当時(1975年)の話として作られているとのことで、その点では少し違うのかもしれませんが、原作を知らない私にとってはとても面白い作品でした。

鑑賞日:2023年6月27日
鑑賞方法:U-NEXT
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