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茶の味のmitakosamaのレビュー・感想・評価

茶の味(2003年製作の映画)
3.8
大好き!田舎の一軒家で繰り広げられるシュールだけどホンワカしたコメディ。

アニメーターの母(手塚)と催眠療法士の父(三浦)、そして中学生の息子と小学生の妹、
更に元アニメーターで歌が好きな祖父(我修院)+叔父(浅野)という家族構成。

長男は正にリアル中二。失恋した心の喪失をおでこから電車が通り抜けるシュールさで表現。
囲碁がうてるので、転校生(土屋)と仲良くなれる。
妹は巨大な自分の幻影に悩む日々。逆上がりが出来れば直ると信じ懸命に取り組む。子役が超かわいい。
そして我修院演じるお爺ちゃんだ。アニメーター出身で母とも仲が良い。
いつも音叉を持っていて「あ〜♬」と音域を確認してる。

お爺ちゃんは親戚の漫画編集者と謎のレコーディング。「や〜ま〜よ♬や〜ま〜よ♬や〜ま〜よ♬山は生きている〜♪」という不思議な歌が耳にこびりついて離れない。
面倒見た嫁のアニメも関係者に見て貰い好評を得る。

アニメと歌とでやりたいことが出来たお爺ちゃんは幸せに無くなる。
残された家族にはスケッチブックに描いたパラパラアニメが残されていた…という話。このシュールな映画にこんな綺麗なラストシーンが来るなんて…。

キャストも何気に豪華なんだよな。チョイ役で草薙とかいるし。
アニメ関係にも造詣がある石井監督故に、キャストに庵野秀明がいる。
しかもお母さんが作ったアニメは、実勢作が小池健だし、お爺ちゃんのパラパラアニメは大平晋也だ。

なんてこと無い日常なのにシュールな会話と演出で、一日一日が特別な日に思える。そんな映画。
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