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凶悪のhirobeyのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.9
小林且弥とピエール瀧の共演。「死刑にいたる病」「狐狼の血」の白石和彌監督の2013年の作品。

小林且弥監督の「水平線」劇場鑑賞前にネトフリ鑑賞。白石監督らしい殺しの描写がとてもリアルで、トラウマになりそう。

ピエール瀧演じる須藤は、殺しを日常的に行う凶悪ぶり。従順な子分の五十嵐を小林且弥が演じた。この良好な師弟関係さえも、リリー・フランキー演じる"先生"木村の策略により最悪の事態に。

主演の山田孝之が、死刑囚須藤の告白から隠された殺人事件を追う週刊誌記者・藤井を演じた。正義感が強く記者として有能な反面、家庭を顧みず母の介護は妻に任せきりとなる。病的なまでの行動は、須藤に踊らされてしまったかのようだ。

須藤が抱く木村への復讐心が、藤井へ伝播し、この結果、藤井の妻が抱く義母への殺意につながる。

典型的な悪人の須藤やサイコパス的な木村の殺意は分かり易いが、高齢者家族や藤井、藤井の妻ら一般人の殺意は、内に秘められていて返って恐ろしさを感じる。実行するかしないかの違いは大きいが、抱く殺意に違いはないのかもしれない。
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