konoesakuta

凶悪のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.8

2度目のレビュー。2020 4 30

凶悪という題名から、ピエールとリリーにばかり目が行った。だから山田くんや山田くんの奥さんの中に潜む凶悪のかけらを感じ取るのに時間がかかった。正義の中にある強い非難の怖さを感じさせてもらった。

再見して考え方を改めた。本作は非常に良くできたサスペンス作品だと思う。山田くんが事件を暴く過程で自らの家族が崩壊していく描写の必要性に気がついた。山田くんの奥さんが示した「どうしようもなければ家族にも殺意が芽生える」という部分に十分メッセージを感じた。

法廷でのリリーフランキーは悪い顔してるなあ。

実在の事件を題材にしている映画として、非常にエンターテインメント性の溢れた見応えのある作品だと思う。

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以下、過去のレビュー。2018 1 19
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 演出と編集で凡作にしてしまった作品。

 題名も取り扱っている内容も悪くない。演じている役者さんもとてもよい。でも「凶悪とは何か」というのがテーマなら、記者の山田君のご家庭の破たんまでいれてしまうと冷めてしまうというもの。記者は狂言回し的な存在に徹して、「凶悪な人間」や「凶悪に関わるとダメになっていく人間」や「凶悪でひと山当ててやろう」なんて人間を描くことは可能だったはず。

 記者の個人的なことを入れると、全体のフィクション感やドラマ感が高まっちゃってよくないと思った。

 どこまでもノンフィクションを忠実に描いただけでも十分傑作になるんではないのかな?
 よくできたNHKのドラマみたいに、オブラートに包まれたような凶悪になっている。何もかもオール60点の映画。だから3点。
 ところどころ30点でもいいが、どこかに120点を「ぶっこんで」ほしかった。