このレビューはネタバレを含みます
自分の中にある凶悪に気づく。
須藤(ピエール滝)も先生(リリー・フランキー)はもちろん凶悪。殺人をビジネスにする最低な殺人者。
その最悪な事件を追う藤井(山田孝之)も、事件を追う内にそれに魅了されていく、不謹慎な悪。そして、先生の死刑を願い、須藤を救われると思うなと糾弾する、正義の幕を張った邪悪な心を持つ。
藤井の妻(池脇千鶴)にとっても夫は正義でもなんでもない、家庭の何もかもを放り投げている悪だし
その妻だって、藤井の追った事件を「面白かった」という。きっと読んでるうちは自分のしたこと(義母にしたこと)を忘れられたんだろうな。
観ていくうちに、悪人は誰?誰?あの人?でも…あの人も?…あれ・・・自分…?
ってなる。
鑑賞してしばらくたちますが、よく考えます。
インターネット上の事件やら事故(炎上やら拡散やらもね)やら、そういうのがちょうど重なって。余計ああ、本当に人間って気持ち悪い、そして自己嫌悪となる。