いやぁーーー、すごかった。
怖かった。
世界観ではなく、
人間の心が怖かった。
ヤクザではなく、それを追求していくうちに変わっていく山田孝之が怖かった。
悪を取材していた。
刑務所の面会室で、死刑囚の極悪人を。
いつも窓ガラス越しだった。
刑務所生活の中で、どんどん穏やかになっていく死刑囚(ピエール瀧)。
それに反して、どんどん闇に落ちていく主人公(山田孝之)。
実母を介護施設に入居させたのも、
家族と向き合い切れないのも、
後ろめたさがあった。
でもそれは誰にも言えなかった。
自分が醜くなっていく。
面会所のガラス越しで、二人の心が交差して、いつの間にか入れ替わったようになっていく。
題材は残酷だが、よく考えられた構成だった。