InSitu

マーガレットのInSituのレビュー・感想・評価

マーガレット(2011年製作の映画)
4.3
この映画、公開までの経緯が大変興味深い。撮影は2005年に行われたのにも関わらず、公開時間の尺の長さでスタジオ側と揉めに揉め、結局それから6年も経過。プロデューサーは製作費が払えず、訴訟問題へと発展。正直、この映画を巡ってのゴタゴタは、この映画より面白い。そんな経緯があっての公開。さぞかしビッグな映画だと思うでしょう?


NO,全く。2時間半、ただただ喧嘩をする、端的に言えばそれだけの映画です。主人公のリサは、一言で言えばヒステリー系糞女で、母のジョーンもまたそうである。自分以外はまるで見えていない、極めて実存的な人間です。そんな人間にある悲劇が降りかかり...という内容。この映画、"意図的に登場人物に感情移入をさせない"というかなり変わった演出を用いており、それが合う人、合わない人をキッパリと分けている要因、又は原因であると考えられます。私には合いませんでしたが、この映画の背景となっているものは、おおよそではあるが理解出来た...と思う。それが分かったにせよ、蚊帳の外にいる我々には、理解は出来たとしても、それを受け入れ、尚且つ涙を流したりなんてことは出来ないし、そもそも日本劇場未公開な時点で、ワールドワイドな映画ではないことには察しが付きます。評価2.7。




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追記(2016.12.21)
価値観が天変地異。これは第二のタクシードライバーだ。こう思っちゃうと、短所(この映画の場合、唐突なブツ切り編集)もまた一つの味に感じられる。経緯も含め、この映画の辿る末路は容易に分かる。
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