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嘆きのピエタのaのレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
4.4
キムギドク監督作品初観賞。
母国では評価は高くないものの外国ではかなりの高評価を得ておりそれも納得の出来。
とにかく台詞、音楽が異様に少ない。無駄な部分を極力削ぎ落とした結果、何もかもが悪や闇に感じ、人間の底なしの凶器まで想像せざるを得ない。写し方もどこかで監視しているような感覚。画面からのパワーや力強さも半端ではない。殺伐としてる乾いた映像だからこそ引き立て合い、無慈悲な残酷描写もより一層痛みを感じられる。直接的な描写は無いからこそ音や演技で息を止めたくなるくらい悲惨で過激。俳優達の心から搾り取るような演技に感謝感激感動感服。特にガンド役のイジョンジンに関しては血も涙もないクソ野郎を見事に演じきった。借金を返せないと知ると障害者(ここで言う障害者は手足がなく、働くことが出来ない者。恐らく)にして、その保険金で返してもらうという酷さ。
中には子供のためと障害者に志願する者まで。ここまで来ると自分の知らない世界でとても所詮映画とは思えなかった。
静かな雰囲気が続くも、突如現れる母、愛などに溺れる主人公に感情移入。静と動が大きく動く冷酷な物語。一見の価値あり。
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