うらがえる

嘆きのピエタのうらがえるのレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
3.8
【あらすじ】
30年間親の顔も知らず天涯孤独だったイ・ガンドは町工場での高利貸しの取り立てをやっていた。払えない債務者には町工場の機械で手や足に大怪我を負わせ障害者にさせることで保険金を回収して埋め合わせをしていた。そんなある日、自分の後をついてくる1人の女性がいた。家の玄関まで来たので追い払うも翌日になっても家の前で待っていたので話を聞くと「母」だと名乗る。いったいこの女性は何者なのか・・・。


【感想】
いや~これが鬼才キム・ギドク監督か。すごいわ。
ギドク作品はチェック項目にはいれてたもののなかなかタイミングが合わず見れてなくてこの作品が初なんだけど面白かった。
冷酷で血も涙もないガントに対して母親が来てから徐々に心をさらけ出していく感じも良いし、序盤は母親にそこまでするか(疑心)と思わせて、逆に母もそこまでするか(徹底)とのぶつかり合い。
中盤からはしっかりネタバレしての回収というね。
名言としては「お金に始まりお金に終わる」ってほんと深いな。
最後はどんな奴でも人から生まれてきたからには心(ためらい・迷いと後悔)は少なからずあるというね。

【余談】
そしてこの作品をちょっと調べてる時に気づいたんだけど、
ギドク監督は2020年に新型コロナで亡くなってるんだね。
それ以外にも女優陣とのセクハラ訴訟等もあり、韓国を追い出され
晩年はカザフスタンだったり最後もラトビアで亡くなったりと。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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