このレビューはネタバレを含みます
奇跡は自然に降りかかってくるわけではなく
奇跡を掴みに最大限努力したものの上に降りかかる
阿部サダヲ、菅野美穂主演の実話をもとにしたリンゴ農家のお話
題名が奇跡のリンゴであるから、まぁ最後にはリンゴができるのだろうというのは予想できるが、次こそは、次こそは、と木村夫妻と同じ目線でいると途方もない年月に絶望感を覚える。
どん底までいったあと吹っ切れたような2人の様子に思わず自然に涙してしまった。
人間は1人で生きているわけじゃない
支え合って生きている
そんな当たり前のようなことをただ悠々とそこに在る自然に学ぶ
リンゴがどうという前に、人間として大切なことが詰まっている作品だった。
登場人物たちの飾らない自然に寄り添った芝居が光っていた。
久石譲の音楽に載せて
喜び、悲しみ、絶望もなんら特別なことはなく常に隣にあることが表現されてたように思う。
特に菅野美穂演じる美栄子が夫から別れようと言われた後に父親と2人の食卓で泣くシーンはとてもよかった。