KazuhiroSugano

真夏の方程式のKazuhiroSuganoのレビュー・感想・評価

真夏の方程式(2013年製作の映画)
3.8
「容疑者Xの献身」は全然駄目だったけど、これは良かった。それは大雑把に云えば次の2点だと思う。まず、ストーリーにすごく無理があるのに(原作のせいなのかな? だから、東野圭吾って嫌い)、それを補ってお釣りがくるほど画が良いことだ。例えば冒頭の殺人のシーン:雪の降りしきる中を殺人者が走っている主観カメラの白黒の映像。被害者を刺した瞬間に持っていた赤い傘(赤だけがパートカラー)が舞って線路の方に落ちてゆく。そこへ電車が通りがかってパンタグラフに電気が走る……。撮影は北野組の人らしい。2点目は福山雅治がほとんど演技をしていないこと。所謂、記号的な演技は全くない。これは「そして父になる」を経たことと関係があるのだろう。だから、私はほとんど観ていないが、「ガリレオ」シリーズのポップな福山雅治が好きな人は物足りないだろう。