岡ゴズ

はじまりのみちの岡ゴズのレビュー・感想・評価

はじまりのみち(2013年製作の映画)
3.9
原恵一監督の実写劇場デビュー作。もちろん、公開当時は劇場で鑑賞したが、最近録画に成功したために再見。
「陸軍」のラストシーンを軍に女々しい!と怒られ、次回作の制作中止に追い込まれた木下恵介が、やめてやる!と松竹を退社!!
浜松の実家に帰ったマザコンの僕ちゃんは、病気のママンを列車で疎開させることが超不安!劣悪な環境でマミーの体調が悪化したらどうしよう!しかし、空襲は激しさを増し、本土決戦の噂も広まる。
やってやろうじゃねえか!
大好きなママをリアカーに乗せた、山越えがはじまる!

この映画、何よりも素晴らしいのは、やはり、川辺での浜田岳演じる便利屋と、加瀬亮演じる木下恵介の会話。どんなことでも世界に1人でも、自分を認めてくれる人がいれば、人は幸せ。目の前にいる人物をその作品を撮った人物とは知らずに、「陸軍」をべた褒めする便利屋。最初はうざがっていたが、そんなこと言われちゃったら、やる気も涙も出ちゃうよ。。と涙する木下恵介に、完全に自分を重ね合わせ(何故か?)感涙。
この便利屋、なんて気持ちの良い奴。(カリオストロの城風に)
この監督の演出はいつだってストレートなのに、何故、こうも涙腺が緩むのだろうか。元々実写向けの人材!とも言われてきた期待に見事に答え、表現の幅を広げてみせた原恵一監督にあっぱれ!
傑作!
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