叙事詩のように「老トントから少年に語り継がれる伝説」という話の手法を取ったのは見事で、話の組み立て方がシンプルながらも非常に上手。
そのため、「西部」「鉄道」というキーワードから印象付けられる安直で単調なイメージは一切なく、ヴァービンスキー印のハチャメチャ戦闘と相俟って、2時間40分があっという間に感じるほどダイナミックに魅せられる。
本作のローンレンジャーは殆ど銃を使わないため、弾丸が乱れ飛ぶガンアクションだけに期待していると終盤まで本当にヤキモキするのだが、ラスト数分の鉄道アクションでは今までの2時間30分程のフラストレーションが一気に解消されるようなカタルシスが押し寄せてくる。
お馴染みの「ウィリアムテル序曲」と共に繰り広げられるアクション映画史に残る最高に気持ちいいガンファイトシーンは必見。
なにより、荒野を馬で駆けるローンレンジャーが格好良すぎて、思い出しただけでニヤニヤしてしまう。