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インポッシブルのryodoのレビュー・感想・評価

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.8
映画で知る津波の怖さ。

[インポッシブル│The Impossible]'12
ドラマ/歴史/スリラー//ユアン・マクレガー/トム・ホランド/ナオミ・ワッツ

─2004年のスマトラ島沖地震で離れ離れになりながらも再会を信じて生き抜いた家族の実話─


『誰かの手助けをしてあげて』

怖すぎる…津波。
幼いトムホとユアンの名演技!

2004年の未曾有の大災害。
マグニチュード9.3の超巨大地震がスマトラ島を襲う。
コレはチリ地震アラスカ地震に次ぐ観測史上歴代3番目の規模。
(因みに4番目は東北地方太平洋沖地震)

不幸にもその時にタイにやってきた家族が被災してしまう…。

旅行でタイのカオラックへやってきた一家。ユアンとトムホが親子なんて…自分得すぎる(笑)
トムホの年頃な感じが好き。
楽しいクリスマスを過ごし
翌日12月26日、家族でプールで遊んでいた…まさにその時だった。

地響きと悲鳴が聞こえ始め…
突如押し寄せる巨大津波!

てっきり巨大地震に遭って、
その後に津波に襲われるのかと思ってたから…唐突すぎてビビった。
震源がそれほど沖だったのか。

この映画のリアルなところは
津波をただ外見的に描写するだけでなく、飲み込まれた後、
つまり津波の中がどうなってるのか描写してるところだと思う。
ただでさえ息ができない水中で、激流に振り回され…瓦礫に殴られ…木に身体をえぐられ…痛い。苦しい。まさに地獄。

津波襲撃後の母親と長男ルーカスの物語は壮絶だった。よりによってひ弱なお母さんが重症なんて。そんなお母さんを懸命に助けるルーカスがもう…偉くて偉くて、小さい体ながら頼りになる。
病院に着いても、
お母さんと離れたくないだろうに、人助けに向かうルーカス…偉いよぉ。
なんか抱きしめてあげたくなる。

家族の安否を心配するお父さんの気持ちもひしひし伝わってきた。
電話したときに思わず号泣しちゃうシーンが辛かったなぁ…。
ユアンの演技が光ってる。

それにしても、
コレが実話なんて…「奇跡」としか言いようがない。あの結末にはウルウルきたし、安心したし、ホントに良かった!

と、思うと同時に…

この一家のようにはならなかった人が大勢いたことも忘れてはならないと思う。


実話を描いた秀逸な歴史映画であり、最もリアルに天災の恐ろしさを描いたディザスター映画だと思う。少なくとも同規模の地震を体験した今の日本人にとっては響くものがあるだろう。

トムホって子役時代からこんなに凄かったんだ…改めて好きになった。
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