バミューダサイキックビーム

スプリング・ブレイカーズのバミューダサイキックビームのレビュー・感想・評価

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)
3.8
スケアリーモンスターズの流れるパーティーピーポー達の出し惜しみの無い御乱行のオープニングを見て思った。
なんで俺の春休みの思い出とはこんなに違うんだよ(゜ロ゜)?

全体的にはどぎつい雰囲気重視でふんわりとしてとらえどころが無い。
日常生活からエイリアンと共にテイクオフしたまま現実へ戻れない様を見てるとスプリングブレイクの自由さと放埒さと無軌道と無重力を感じる。

そんなおかしな浮力があるせいか、満ち足りていない女子大生、退場する人間と残って道を踏み外す人間、ギャングスタ同士の抗争等の僅かばかりのストーリー性が他の刹那的で印象的なシーンに埋もれた様になり、後から振り返ると何を見たのかよくわからない。
「Every time」の流れるピアノマンの回りをマスクウィメンが踊るシュールさがそのよくわからなさのスロットルをトドメとばかりに全開にしてくれる。

しかし、個人的にはN・W・レフンに似た色彩と倒錯した詩的性質を持つ「スカーフェイス」さの会技は結構ツボだった。
出鱈目に点滅するネオンサインの様に規則性やメッセージは分かりにくいけど以外とそこにトゥインクレスでエッジーな勢い重視で破綻した破調の美を感じたりする。