キミシマユウキ

L.A.ギャングストーリーのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

L.A.ギャングストーリー(2012年製作の映画)
3.8
1940年代末のロサンゼルス、街はミッキーコーエン率いる巨大なギャング集団により支配されていた。そこで警察は極秘裏に非合法な攻撃によってコーエンの組織を攻撃し始める…

40年代から50年代のLAで起きた実話を基にしたギャング映画!
出演には
ショーンペン×ジョシュブローリン×ライアンゴズリング×エマストーン
と豪華!!
ギャング映画には目がないので鑑賞

この時代を描いた作品にハズレなし。

邦題を先日鑑賞した同ジャンルの名作『L.Aコンフィデンシャル』と被せて続編やシリーズのように思わせぶっているが、特に関係はない。
ただし、コンフィデンシャルの方はギャングの親玉ミッキーコーエンが逮捕されてから混沌と化したL.Aの街を描いているのにたいして、今作はそのミッキーコーエンを逮捕した警察チームの物語であるので実は関係あったりもするのである(笑)
とある映画で
「狼を倒すには狼になるしかない」
という名言が生まれたが今作はまさにそんな作品。ギャングを倒すためには手段方法を問わずに戦わなくてはならない。
そんな不器用で無骨な男達の寄せ集めである極秘チームは個性豊かで魅力的だ。
正義に燃えるリーダー、二枚目でクールな右腕、老いた銃の名人、ナイフ投げの黒人、機械に強い男、新米ラテン系…
なんだかL.Aギャング版『ワイルドバンチ』を観ているようだった!
トンプソンを乱射する銃撃戦もスローを使ったりとやはりペキンパー監督の影響が強いのだろうか?
また、この時代の人々が来ているスーツやドレスがたまらなくかっこよくて惚れ惚れするのであった。

極秘チームのリーダーにジョシュブローリン。
『アメリカンギャングスター』ではギャングと繋がる汚職警官だったのに今回は真逆な熱血漢。
不器用だけど真っ直ぐに生きる漢の生き方に憧れる。こんな無骨な役は彼にピッタリだ。
クールな二枚目にライアンゴズリング。
『ドライブ』ほど痺れる役柄ではなかったが、この時代の衣装が一番映えた男前。彼がサラッとするウィンクで胸キュンしてしまったことは秘密にしておこう。
コーエンの女役にエマストーン。
『ゾンビランド』からすっかり出世した売れっ子女優。当時の映画スターの髪型やドレスなどを良いとこどりした役柄らしく、たしかに輝いて見えるくらい美しい。
ただフィルムノワールの必須要素であるファムファタール(ミステリアスな美女)だったかといわれるとそうでもないのが残念。
そしてギャングの大ボスミッキーコーエン役にショーンペン。
う~~ん!!!一番もったいない!!彼の演技力とこの役柄だったら21世紀史上に残る名悪役になっていてもおかしくなかったのに!!
これは彼の問題というよりは作り手の見せ方の問題かな?あとなんか無駄な特殊メイクのようなものでより興がそがれた。しかもこれに毎朝3時間かけてたらしい(笑)
まぁ恐ろしいキャラであることには間違いなしだ。
他にもラテン系といえばこの人マイケルペーニャやら『テッド』の悪役ジョバンニリビシ、『キャプテンアメリカ』のファルコンでお馴染みアンソニーマッキーなど豪華脇役が多数出演していた!!
その中でも最も好きだったキャラは老ガンマンマックス役のロバートパトリック!!
『ターミネーター2』の印象がめちゃくちゃ強いが、個人的にはその次くらい好きなかっこいいキャラにランクインしたぞ!
男は銃の名人に弱いのです!!!

まぁ警察のくせに計画がずさんだとか、よくよく考えると粗も多い作品ではあるのだが、
題材と絶妙なキャスティング的に若干甘めな配点にしてあります。
この時代のギャングに一度はなってみたかった…。

ギャング映画好き、トンプソン乱射しまくる銃撃戦が観たい方、そしてショーンペンの変な特殊メイクが観たい方にはオススメの作品。