たく

まぼろしの市街戦のたくのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
3.7
第一次大戦末期のフランスで、劣勢のドイツ軍が街ごと吹き飛ばそうと仕掛けた爆弾を解除する使命を負ったスコットランド兵のプランピックの話で、彼がひょんなことから精神病院を抜け出した患者たちから王様扱いされていくカオスな展開に最初戸惑った。

全編ほとんどコスプレした患者たちによるお祭り騒ぎが続き、ドイツ兵が彼らに翻弄される様子が漫画チックに描かれていく中で、終盤になるにつれてもうプランピックが本当に王様でいいんじゃないかと思わせていく。
お祭り騒ぎの最後でいきなり現実が現れる展開にびっくりするんだけど、患者たちが全く意に介さないのが象徴的。狂ってるのは患者たちじゃなくて、馬鹿げた戦争をしている方じゃないかってね。
妄想だろうが何だろうが正しい心を持つことの方が大事なんだよって言ってる感じで、ラストは彼が狂ったようにも見えるけど、おとぎ話的なハッピーエンドと受け取った。
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