natsuo

21ジャンプストリートのnatsuoのレビュー・感想・評価

21ジャンプストリート(2012年製作の映画)
4.6
「天才ロードミラーコンビと天才ヒルテイタムコンビによる天才おバカ映画」

ロードミラー作品を一気見しようの会を勝手に始め、スパイダーバース①→②→レゴ①→②と来た。次はくもりときどきかなーと思いつつも、本作は未鑑賞でとても気になっていたためこちらに手を出すことに。

フィル・ロード×クリストファー・ミラーという最早これ以上のコンビはないと言える2人の実写監督作。ジョナ・ヒル×チャニング・テイタムが悉くおバカをかましまくる最高のコメディ映画。


頭が良くて成績はいいがダサくて人にバカにされているシュミット(ジョナ・ヒル)と、ムキムキでハンサムだが頭の悪い(人柄も悪い)ジェンコ(チャニング・テイタム)は、高校時代、前者はいじめられ後者はいじめとよろしくない関係。そしてシュミットは女の子に断られたため、ジェンコは成績不良のため、どちらもプロムに行けず高校生活の幕を閉じる。

それから7年後警察学校で再会した2人だったが、最初こそいがみ合うものの、互いの短所を互いの長所で補い合うという良いコンビに。早々に意気投合してしまい(本当に早々すぎて笑った)、2人は無事卒業した。そしていよいよ警察としての仕事が始まる!...と思っていたが、託された任は公園の自転車パトロールという何とも地味な仕事。どんどんと嫌気がさして2人はもうヤケクソ状態(治安を守る警官として最低すぎる行動のオンパレード)。しかしある日、違法薬物を使用していたギャンググループを捕えることに成功する。よしこれで出世だ!ともうそれはそれは嬉しそうに公共の場で騒ぎまくる2人だったが、嬉しさのあまりミランダ警告をし忘れてしまう。結果、その逮捕は無効となり彼らの出世という夢は儚く消える。
代わりに2人に与えられた任は、高校生になりすましその高校で取引されている違法薬物の調査。元締めを必ず見つけろと耳タコレベルで警部に怒鳴られ、彼らは嫌々高校に潜入することに。

なんとか高校生活を送ることができ、特にシュミットは学校の陽キャグループとつるむことで薬物への足がかりを掴むことができる。しかし任務のことそっちのけで純粋に高校生活を楽しんでしまうシュミットにジェンコは怒りを募らせる。互いに意見が食い違いとうとう衝突してしまう2人。本当に彼らは薬物の元締めを捕らえることができるのか...??そして元締めとは誰なのか...??


しっちゃかめっちゃかでドタバタなストーリー、おバカすぎる2人のコメディの極みとも言えるおバカな掛け合い、もう面白すぎて楽しすぎて笑 さすがはロードミラー。ボケとギャグに隙がない。休む暇を与えられずとにかく笑いっぱなし。何よりジョナ・ヒル×チャニング・テイタムのコンビが完璧すぎて大好きになる。このようなバカな男2人のの友情ものはまあよくあるような気もするが、こちらはバカでおふざけ全開。下ネタのオンパレード、とち狂った人間性、痛快なボケとツッコミ。まあそれはそれはネタが多すぎることで。よくこんなにギャグが思いつくなと毎度感心させられる。
しかし本作はそれだけではなく、ちゃんと2人の関係性もエモく描かれる。喧嘩するほど仲がいいとはよく言ったもので、バカな喧嘩もすれば熱い友情も見せてくれる。初めからとにかく息ぴったりの2人なので観ているこっちも気持ちいいくらい熱い友情を楽しませてくれる。また、2人それぞれの成長もとても魅力。シュミットは当時所謂"オタク"と呼ばれ冴えなかったが、今回の任務ではイカした陽キャグループの一味となる。そこで女の子ともイイ感じになり輝かしい日々を送るが、度が過ぎるようになってしまう...。対して元々パリピのジェンコはというと、化学"オタク"のグループに属するように。(爆丸をやっていたシーンでは家族で湧いた。爆丸って知ってますか?子供の頃めちゃくちゃ遊んだ物凄く画期的な楽しいおもちゃです。調べてみてください。)プロムやパーティに全く慣れていない彼らと接しながら、バカにされたりいじめられたりしてしまう世界を知ることになる。
このように、2人が当時とは違うグループ(世界)を実際に経験することで、互いについての理解を深め共に成長していくという、とても素晴らしい展開で流石だと思う。涙が出そうになるくらい素敵な友情の表現もまあこれも流石だなと。ベタなんだけど面白い、あるあるなんだけどどこか個性的な、これまたロードミラー作品が優れている点であろう。描き方が上手すぎる。我々が爆笑でき心から楽しいと思える作品をつくる力があるので、キャラクターもストーリーも全て好きにならせてくれる。本作も大好きな映画の一つになった。

こんなにもバカげていていい意味でしょうもない映画なのだが、アクションシーンはかなり頑張っていて出来の良い印象。酔った勢いの取っ組み合い、派手なガンアクション、リムジン3台によるカーアクションがかなり高いクオリティで観れる、アクションだけでも手放しで褒められる素晴らしい映画だった。特にリムジンカーアクションは初めて観た。リムジンって上が開くから、そこで撃ち合うわけね。しかし小回りの効かない車なのでそれもそれで面白い。


公開は2012年。レーティングは13+。なるほどなー時代だねー。今では多めに見て16+だろう。いや今はコロンビアでつくってはいけないだろう。できてもインディーズになりここまで予算は下りないだろう。自由で楽しそうな時代だなーと(当時自分は8歳)。

改めて相変わらず素晴らしい作品をつくったロードミラーコンビに拍手。魅力的で愛おしいキャラを演じたヒルテイタムコンビ(勝手に命名)にも拍手。お腹痛いくらい笑わせてくれた。どちらもギャグ、コメディの天才コンビ。というか、こんなにも下ネタの嵐で8割近く下ネタのギャグだった映画なのだが、それが一切ないくもりときどきやレゴやスパイダーバースでも笑わせてくれるって、ロードミラーコンビは本当に天才だなと。大人にも子供にも(色んな意味で)刺さるすごい映画をつくる、すごい2人なのだな。
さて、続編にも定評のあるコンビなので、22も絶対観ます。期待大。

[字幕]
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