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フッテージのJIZEのレビュー・感想・評価

フッテージ(2012年製作の映画)
3.4
屋根裏部屋に放置された8ミリフィルム映像の邪念的な怪奇現象を元に落ち目の作家が負が連鎖する未解決事件な謎に挑む凄惨な恐怖映画!!場を支配したファウンド・フッテージ技法を賞賛!!最後の敵思惑通りに事が運ぶ顛末は絶望!!原題『Sinister』は"邪悪"や"紋章"を指し観た方なら即気付くようアイツの事。あと邦題『フッテージ』は"未編集な映像"を指しエリソンが辿る最後の顛末に由来は直結。まずこの映画,実は公開時に直で監視し今回で監視は2度目なんですよね。再鑑してより明瞭に把握出来た事が主役側に救済余地が微塵もない話だって事。結果振り返れば主人公の言動からああなった顛末は当然なんですが甘い表現をし"不運にも"という形で。では全体的な結論を先に申せば,未解決事件を巡りエリソンが色々詮索し核心部に近付くも結果的に報われない駄目な感じが惜しいというか映画的に構成の詰めの甘さが露呈したよう結果的には感じ取れた。。シナリオ自体は新居に越してきた主人公一家が屋根裏部屋で5本の未編集フィルムを発見した事から"邪教"や"儀式"など宗教的な恐怖の連鎖に巻き込まれ次第にその仕打ちが卑劣化し..というオブラートに包んだ表現で"邪悪なサスペンス物"ですかね。終盤まで各要素(伏線)がミステリ手法で点と点を接続させ真相に近付けば近付くほど逆説的に事態が徐々に最悪になり最終的にも取り戻しの効かない状態にまで主役が心理的に追い込まれアアなる不穏感や核心部の大元の正体不明感は演出的にも画面に惹き寄せられ1級品に思えた。最後の伏線が破滅する顛末を除けば。エリソンが未解決事件を巡り過去の使い古された書物,PC記事,オカルト研究に関与する教授から子供を喰らう"邪教の神ブグール"という悪魔がいる詳細を聞き事件が次第に紐解かれていくサスペンスフルな過程は作品の持ち味が滲み秀逸だった。また映写機を用い再生し映し出される悲惨な映像の数々も①BBQ②プールパーティ③おやすみの時間④芝刈り,などフィルムの映像に恐ろしい形相をした男が映り連続殺人犯と結び付けエリソンが枠組み自体の根底を疑い出す世界観から一歩引いた目線で捜査に繰り出すのも極上風なミステリ的に趣が取れ良い。

概要。恐ろしい映像を発見した事から逃れられない死の運命に襲われる作家の運命を描く。監督は『エミリー・ローズ』のスコット・デリクソン。製作は『インシディアス』製作を手掛けたジェイソン・プラムが担当。また主演には『プリデスティネーション』のイーサン・ホークが名を連ねた。

結局,勘が鋭い方ならもうお気付きのようエリソンがあの結末を辿った1番の要因は周囲に怪奇現象の事情を打ち明けるも必要以上に予防線を張らなかった事なんですよね。軽視したエリソンの気楽さが足をすくわれ結果的に..な1人で抱え込み真相部に近付きああなる事を踏まえれば当然といや当然だなぁと常識的に痛々しい考えすら伺え作家を通じ恵まれず不運な日常により病的な精神病が原因なら構造が直球に描き過ぎましたかね。第三者が事件の核心に踏み込みラストで掻き回す程度の意外性は正直欲しかった。。悪魔の思惑通りに事が進まず大元に一矢報いて転調を演出..その点はバカ正直に描き過ぎましたね。最後に一捻りがないのは本当に勿体無い!製作側の杜撰だと深く思いました。未解決事件の負の連鎖があの後どうなったかも含め後日譚を挿入しない構成も杜撰。イーサン・ホークのシリアス芝居は勿論,核心部が発覚し終結に向かう直前迄の謎解きミステリ過程をあくまで吟味し楽しむ映画な着地点ですかね。事態の深刻さに拍車が掛かる一方,危機感がなさすぎるエリソンにはキャラ造形的にも絶望した。職業かノンフィクション作家な題材との接続感は秀逸なんですが..今後事件を止めるため続編『フッテージ2』製作を希望!夜に観れば徒労感がヤバいので精神的に余裕がある時間帯にゆっくりとお勧めです。

※追記:来年に『Sinister2』公開予定なんですね笑。遅れ馳せながら今把握しました汗..その際は公開時期に是非扱おうと思います。
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