とうがらし

ホーリー・モーターズのとうがらしのレビュー・感想・評価

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)
3.8
完全に予備知識なしで鑑賞。
超難解だが、不思議と最後まで観られる。

ある男が、リムジンに乗って、様々な場所に派遣され、様々な人間を演じる一日が描かれるメタ構造の映画。
果たして誰の依頼なのか、何のためにやっているのか全く説明はない。
カメラがあるのか、あるとすればどこかにあるのかも分からない。
最後はアレが話し始める…まるで棺桶のように並んで。

人間は、日常で、”普通”の人々を演じている。
職場で、家庭で、様々な場面で、様々な普通の人を演じ分けている。
ある日、ある時には、普通ではない人を”演じる”こともある。
自分一人になっていても、自分を演じている。
そうして、何が本当の自分なのか分からなくなる。
そんな人間の一生を、一日で表現した作品だと私は解釈した。

主人公のオスカーという名前、ふと漏らすセリフの数々、ところどころ流れるBGMなどからしても、いろいろな映画へのオマージュであろうことは察するが、そういうことを知らなくても大丈夫だった。
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