るか

二流小説家 シリアリストのるかのネタバレレビュー・内容・結末

二流小説家 シリアリスト(2013年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

主人公である二流小説家が真相に気づく鍵となるのが、フィルムのネガとポジの関係ではなかったか。まさにそれが、この映画のすべてを物語っていると思う。劣等感に苛まれつつ、腹の底で虚栄心を燻らせている小説家と、誇大妄想癖のある、自己肯定感半端ないサイコパスの死刑囚。母親によって人生を縛られている二人の関係は、まさしくネガとポジ。最後に刊行される死刑囚の伝記は、二人の共同作品だ。首を傾げたくなる演出も多いが、力作だと思う。アメリカの推理小説が原作だそうだが、原作でも死刑囚は母に支配され、母が彼の人生に全面的に介入しているのだろうか。「サイコ」の例はあるが…なんとなくアメリカの価値観に馴染まない気がして気になる。
るか

るか