Jeffrey

列車の中の人々のJeffreyのレビュー・感想・評価

列車の中の人々(1961年製作の映画)
5.0

‪「列車の中の人々」‬
‪冒頭、田舎駅。初老の駅長と親米駅員女性。列車から花束が投げられる…回想へ。人の群れ、駅の待合室…本作はK.クッツ監督の長編三作にして超絶傑作で室内と言う空間で一緒になった乗客の人生や習慣、性格を明解に描写し後に出鱈目な事をSS少佐に伝えた鉄道警察官によって乗客が駅‬外へ一列に並らばされ射殺される恐怖を味わう…

そこで本作の重要役の少年が体を張り少佐らに袋叩きにあう…後に看病された彼が言った言葉に私は感銘を受け本作を極限にまで好きなった。当時のポーランド社会の縮図をこんな寂れた田舎駅で明確に映し、‪冒頭の出来事へ繋げる回想ラストの場面は永遠に記憶する傑作だ。‬正にポ派の最高いや極上なまでな傑作だと確信してる。‬

前作の沈黙の声に引き続きクッツが撮った本作も初見したが素晴らしい。

駅員の回想で物語が始まり、前半は賑やかな人々を円満に描いており酔ったドイツ人警官による一本の電話で後半から暴力の地獄絵図へと変わる。列車、駅と言う縮図の中での群像劇、人間模様の緊迫感が凄い映画。

でもやはり監督の父親が1919年から1920年に行われたシレジアを蜂起でパルチザンとして活動していた鉄道労働者っていうのもあるから本作のような傑作な鉄道映画が作れたんだと思う!
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