アルパカ

南の島の大統領 沈みゆくモルディブのアルパカのレビュー・感想・評価

4.5
 自分が住んでいる自治体の生涯学習センターで見ることが出来ました。モルディブというと、同僚で新婚旅行に行った人がいていいなあ、海が綺麗で、という程度のことしか知りませんでした。ごめんなさい。。といいたい気持ちです。
 なんと温暖化の影響により海面が上昇している結果、国家が水没するかもしれない危機に見舞われている、ということです。30年もの長い間独裁政権が続き、政治犯として囚われつつも民主主義国家を作るという強い意志のもと大統領になった男性が主人公です。
 コペンハーゲンで開催されたCOP15での、各国それぞれのトップやマスメディアと会談してCO2削減に協力を要請する奮闘ぶり。
 中国とインドがCO2排出国トップ2だとのことです。
 とにかく祖国が海に沈むのを防ぎたい、という一貫した意志を感じ、綺麗な澄んだ眼をしたナシ―ドさんにとても好感を持ちました。上映後大学の先生からお話がありましたが、今は国の問題はその国だけの問題としてとらえるのではなく、例えばモルディブも島嶼連合【小さな島国だけの連合】に加盟し、協力し合うなど、国家同士がそれぞれ適宜タッグを組んで問題解決に向かおうとするのが最近のグローバル化だ、ということでした。戦争がないことだけが平和、ということではない、こういった環境問題により生命の危機国家の危機に立たされている人たちがいることを知ってほしい、とのことでした。
 ナシ―ドさんは2012年にクーデターという形で大統領の地位を追われ、亡命し、今は帰国してその後選挙があり、ナシ―ド派の方が大統領になっているそうです。自分は亡命したので選挙には出られなかったそう。