おたけさん

ブロンソンのおたけさんのレビュー・感想・評価

ブロンソン(2008年製作の映画)
3.6
トム・ハーディ演じる、暴力でしか生きれなかった悲しい男のドキュメンタリー映画。

出ました、狙い済ましたB級!
映像は70年代テイストによる質感を再現し、見事にキチガイを怪演したトム・ハーディ。

いやーこの演技見させられたら、他の役者って一体なんなんだろう。って感服w

では作品解説です。トム・ハーディかっけー!ばっかりのレビューアーが多いので、ここはあえて本質に迫ってみようと思います。

イギリスの凶悪犯、本名マイケル・ゴードン・ピーターソン、
別名チャールズ・ブロンソン。

小さい頃から感情を出すことが苦手で、暴力でしか表現出来ない男。
ある意味発達障害ともいえなくもない男の人生の、半分以上が獄中という実話を元に作られてます。

通常このテイストを映画にする場合、割りと第三者視点の解説映画になるところ、
思い切ってブロンソン目線で作られていましたね。

例えば滑稽な演説シーンが多く挟まれていますが、
ブロンソンの脳内でのヒーロー像で、幼少期から離れられないヒーロー像への憧れから離れることは出来ないことを象徴してるんだと思いました。

これは凶悪犯によくある事ですが、いわゆる劇場型な性質を上手く描写してましたね。

ただ1つ残念なのは、ブロンソンの葛藤部分や人間像に焦点を搾ってもう少し掘り下げてもらえたらよかったなと思いました。

あと「プッシャー」のレフン監督なので、プッシャーのジャケ写みたいなカットが一瞬挟まれてたりしてクール!
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