がぶりえる

氷の微笑のがぶりえるのレビュー・感想・評価

氷の微笑(1992年製作の映画)
4.2
語り継がれるのはシャロンストーンの美貌と例の股関チラチラシーンばかりなので何となく敬遠していたのだが見てみてびっくり、脚本がとても秀逸でサスペンスとしてとても完成度の高い作品だった。

なんとかもうずーっと男の愚かさと欲深さただ漏れ。マイケルダグラスの愚かさよ。誘惑を前に自分を制御できない上にあと先考えず損得勘定で動く感じ。でもなんか気持ち分かるんだよな。男なんてだいたいこんなロクデナシばかり。そして、そんな男の欲深さを逆手に取りすべてを自らの手の内でコントロールするシャロンストーン。シャロンストーンの「お前らこんなもんだろ?」と言わんばかりの男を蔑む視線と何者も恐れないただならぬギラつきを放つ態度のかっこ良さったらない。そりゃ売れるわな。スターの凄みがあるもん。気付いたら、はやくシャロンストーン写らないかなと思ってしまう程に引き込まれる役者だった。

バーホーベンの演出の妙が各所で光る。ベットシーンひとつ会話シーンひとつとっても計算された演出の楽しさがあってエンタメ度が高い。音楽の入れ方とかサスペンスとしての盛り上りの作り方もさすがの一言だった。