ぽち

スノータウンのぽちのレビュー・感想・評価

スノータウン(2011年製作の映画)
1.0
ただのフィクションとしてみると、雰囲気も出ているし、巻き込まれていく青年の苦悩も良く表現されているし、主犯のバンディングの狂気も描けているのだが、実際の事件の要約を読むと、あまりに温い描き方と分かりガッカリしてしまう作品。

今作はあくまで主役のジェームズを「巻き込まれたかわいそうな青年」というキャラクターとして描いたもので、実際は主犯バンディングの片腕として積極的に犯罪を犯していたのが分かる。

そして作品中に出てくるゴアシーンも、実際の事件の方が何倍も残酷で、映画製作上描けなかったというより、制作陣の腰が引けているのが見えてしまいマイナス。

スプラッタホラーが得意な監督が作れば、カルト的な作品になったのではないだろうか。

メイン3人、特にバンディングの殺人衝動が全く描けていないのと、犯人一味の「次は自分が犠牲者かもしれない」という恐怖も描かれていない。

どこにも「実話」という文句は出てこないのが監督の誠意だろうが、これだけ有名な事件だと本国では実話前提で見られるだろうし、他国では宣伝で「実話」を前面に出してしまっているのがアウト。

完全なフィクションとして観るべき作品だろう。って事で、個人的ポリシーから低得点とさせていただく。

興味が出た人はググって見るのも良いだろうが、それなりの覚悟で調べたほうがいい、というぐらい凄惨な事件だ。



余談。
一瞬出るドラム。
どう見てもパールの1,970年代ぐらいの安いやつ。どうしてこんなセットになった?
実際に犯人宅にあったものがこのシリーズだったのか?それともそこら辺にあったものを適当に使ったのか・・・

いずれにしても、日本だとマニアが欲しがりプレミアがつくセット。

鍋の蓋のような音の、真っ黒にさびたシンバルがマニア心をくすぐる(笑)
って言うか、ライドシンバル左手で叩くな!
ぽち

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