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狂武蔵のjのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
3.3
ワンカット77分間の“狂”気。映画の中でストーリーは完全にオマケになっていて、このひたすら続くアクションにノれるかノれないかでこの作品に対するリアクションはかなり変わってくるというかなりの珍作。

ぶっちゃけ殺陣のシーンはツッコミどころ満載だし、なにより画がまぁ安い。剣で組み合う・頭叩く・体切る(というより叩く)かの3通りのコマンドしか設定されてないクソゲーなので、単調で飽きてくる。
ただ、だんだん削られてボロボロになっていく坂口拓の威圧感は凄まじいものがあるし、そんなバケモノにほぼアドリブで飛び込んでいかなければならない斬られ役達の逡巡や恐れがすごくリアルだった。そのガチチャンバラに取り組む役者たちをドキュメンタリー的視点で楽しむという変なねじれが起こっている。と同時に、「限られた予算と人数で、1対400のチャンバラをワンカットで撮り切る」を成立させるための“作り物感”も強烈に感じるという、なんとも不思議な体験をしたという点で、この映画は面白かったのかもしれない。
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