ざか

メイジーの瞳のざかのレビュー・感想・評価

メイジーの瞳(2012年製作の映画)
3.5
小さな女の子が可哀想な目に合うのは良くない。

口では「愛してる」と言いながらお互い相手の悪口をメイジーに吐いて「だからママは/パパは悪くないよね」と自己保身の言葉を繋ぐ両親。
親権がそれぞれに渡りお互いの家を行き来するものの、メイジーよりも自分の仕事を優先させ、その度にお決まりの「愛してる」とだけ伝えて継母のマーゴや継父のリンカーンに任せっきりの二人。

実の両親が再婚したのも、程のいいメイジーの面倒見役として見繕っただけ。
実母はメイジーが思ったよりもリンカーンに懐いているのを見ると「勝手に娘に取り入った」と気分を害する。

そんな両親に振り回されながらも、メイジーは文句を言わず、お互いの家を行き来する。
駄々をこねたのは、マーゴもリンカーンも捕まらず全く知らない場所で夜を過ごす羽目になって一雫涙を溢した時だけ。これは駄々ではない。

子供が出来たら親は勝手に親になるのではない。「可愛い我が子」と言うだけが親ではない。親としての責任がある。
自分勝手な愛情はあるのだろうが、メイジーの両親に親の資格はない。文句を言わないメイジーに甘えているだけだ。

結局、継母継父が一番メイジーの事を想って行動しているものの、裁判大国アメリカでは実の両親から誘拐したとして罪に問われてもおかしくない。
決してハッピーエンドではない様に思う。
ざか

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