巨万

きっと、うまくいくの巨万のレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
5.0
タッチはコメディでありながら、
終始一貫して一つの事を伝えようとする
メッセージ性のとても強い映画だった。
手を変え品を変え、様々な具体で伝えられるそのメッセージは、
見る人を飽きさせない手法が凝らされていた。
ストーリー展開としては王道だが、
伝えようとしているメッセージの内容と相まって、
わざとらしさや嫌らしさを感じさせない秀逸な構成だった。
王道なストーリー展開は感動のカツアゲになる事が多いが、
この作品は違った。

まず
伊集院静さんの言葉を借りれば、
「人はそれぞれ事情をかかえ平然と生きている」
という前提がある。

そして、中心にあるメッセージは、
「自分の本当にやりたい事を諦めるな」だ。

多くの人は諦めてしまう。
だから、諦めずに勇気をもって一歩踏み出す方法を教えてくれる。

「うまーくいく、うまーくいく」

作中、大小さまざまな難題が主人公たちに降りかかる度、
こうつぶやく。一歩踏み出す為のマインドコントロール。

つまり、主人公で万能なランチョルでさえ挑戦は怖いのだ。
ランチョルだって怖いし不安で一歩踏み出す事に躊躇する。
だが、彼はその気持ちに負ける事はない。
「うまーくいく、うまーくいく」
そう何度か呟くと、強く一歩を踏み出し、立ち向かう。

踏み出す一歩が仲間にも力を与え、伝搬していく。

誰にだって事情がある。誰だって一歩を踏み出す事は怖い。
だからこそ、誰にだって、一歩を踏み出して人生を変える事が出来るのだ。

「きっとうまくいく」

見終わった時に、誰もがそう思う事が出来る最高のコメディ。
巨万

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